ハードロックG-55-03,-05,-10の性状及び接着強度
項 目 | G-55-03A | G-55-03B | G-55-05A | G-55-05B | G-55-10A | G-55-10B | 備 考 |
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主成分 | 変性アクリル | 変性アクリル | 変性アクリル | 変性アクリル | 変性アクリル | 変性アクリル | |
外 観 | 半透明粘稠液 | 緑色系粘稠液 | 半透明粘稠液 | 緑色系粘稠液 | 半透明粘稠液 | 緑色系粘稠液 | |
粘 度 (mPa・s,25℃) |
3000 | 3000 | 5000 | 5000 | 10000 | 10000 | B型粘度計 -03,-05はローター№4, -10は№5,20rpm,2分値 |
引張剪断強度(23℃) (MPa[Kgf/cm²]) |
30.2 [308] | 30.9 [315] | 30.8 [314] | JIS K-6850 鉄/鉄(サンドブラスト処理) |
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T型剥離接着強さ(23℃) (kN/m[kgf/25mm]) |
2.8 [7.2] | 2.1 [5.4] | 3.1 [7.8] | JIS K-6854 鉄/鉄(サンドブラスト処理) |
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衝撃接着強さ(23℃) (KJ/㎡[kgfcm/cm²]) |
16.4 [16.7] | 19.7 [20.1] | 19.1 [19.5] | JIS K-6855 鉄/鉄(サンドブラスト処理) |
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D硬度(23℃) | 78 | JIS K-7215 | |||||
消防法危険物分類 | A剤:第4類第1石油類 B剤:第4類第1石油類 |
単位はSI単位と[]内に従来の単位を併記したが、以降のデータはSI単位のみで表示した。なお、換算は以下の式に従った。
MPa=kgf/cm²×9.8÷100 kN/m=Kgf/25mm×9.8/25 kJ/㎡=kgfcm/㎠×9.8/10
各被着体別剪断接着強さ
被着体の種類 | 剪断接着強さ(MPa[kgf/㎠]) | 破壊状態 | 表面処理 |
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鉄(SPCC-D) | 30.2 [308] | 凝集破壊 | サンドブラスト処理後アセトン脱脂 |
ステンレス(SUS304) | 30.3 [309] | 凝集破壊 | サンドブラスト処理後アセトン脱脂 |
アルミ(A-5052) | 23.3 [238] | 凝集破壊 | サンドブラスト処理後アセトン脱脂 |
ベークライト | 7.8 [77] | 材料破壊 | サンドブラスト処理後アセトン脱脂 |
ポリエステルFRP | 15.9 [162] | 材料破壊 | サンドブラスト処理後アセトン脱脂 |
エポキシFRP | 18.8 [192] | 凝集破壊 | サンドブラスト処理後アセトン脱脂 |
硬質塩ビ | 2.6 [27] | 材料破壊 | メタノール脱脂 |
ポリカーボネート | 4.6 [47] | 凝集破壊 | メタノール脱脂 |
可使時間と固着時間
可視時間:A剤とB剤が接触してからの使用可能な時間。これを過ぎると接着強度の低下など不良が生じることが多くなる。
固着時間:引張剪断接着強さ測定用試験片を使用して0.1MPa以上の強度が発現する時間。固着時間までは最低限固定、静置しておく必要がある。
経時強度 |
配合比と引張剪断接着強さの関係 |
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熱時引張剪断接強度 |
耐湿性 |
耐熱性 |
接着膜厚と引張剪断接強度の関係 |
クリープ特性 |
剪断疲労特性 |
屋外暴露 |
温度と粘度の関係 |
使用方法
ハードロックは被着体の表面処理をあまりせずに接着することが可能ですが、高強度で耐久性を要求する用途では被着体の表面処理をしてください。一般的な被着体の表面処理は表面処理の項を参照ください。
① ハードロックは消防法の危険物に該当しますので作業場は火気厳禁としてください。
② A剤とB剤の割合は体積で約1:1になるようにご使用ください。
③ 被着体の接着部は油やほこり等をウェスなどでよく取り除いてください。
④ 塗布は当社専用塗布機のご使用をお奨めします。専用塗布機を使用しない場合には、次の要領でご使用ください。
⑤ 皮膚につけないように保護手袋の着用をお奨めします。
⑥ A剤とB剤を重なるように塗布し、必要に応じて簡単に混合してください。
⑦ 接着剤が接着部全体に広がるように被着体同士を接着、固定してください。
⑧ 接着作業はA剤とB剤の接触した時から固定までの時間は夏場(30℃)で1分以内、冬場(5℃)で2分以内に終了するようにしてください。
⑨ 固着するまでは動かさないようにしてください。固着する時間は夏場で(30℃)で10分以上、冬場で20分以上を目安にしてください。
⑩ 接着工程以後、被着体が、焼き付け塗装などの熱履歴を受ける場合、被着体材料の鋼板原板の表面処理の種類によっては、接着強度の低下を起すことがありますので、確認してから使用してください。特にメッキ鋼板にはご注意ください。
(注)接着部位、接着面積は掛かる力の方向や必要強度、耐久性等をよく考慮して設定してください。
被着体の表面処理
鉄 | 鉄は表面処理をしなくても接着可能であるが、サンドブラストやワイヤーブラシなどで表面を荒らし、アセトンなどの溶剤でほこりや油を完全に拭き取る。特に熱間圧延鋼板はサンディングなどで黒皮を完全に除去する必要がある。表面処理後はできるだけ早く接着する。 |
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アルミニウム | アルミニウムは表面酸化層が弱いため、サンドブラストやワイヤーブラシなどで表面酸化層を取り除き、アセトンなどの溶剤でほこりや油を完全に拭き取る。表面処理後はできるだけ早く接着する。 |
ステンレス | ステンレスは表面状態により接着のバラツキがでやすい材料であるため、サンドブラストやワイヤーブラシなどで表面を荒らし、アセトンなどの溶剤でほこりや油を完全に拭き取る。表面処理後はできるだけ早く接着する。 |
プラスチック一般 | プラスチックは材料により接着性が大きく異なるので使用前に接着性を試験する必要があります。また、プラスチックは成型時の離型剤などの影響も受けるので、サンドブラストやワイヤーブラシなどで表面を荒らし、メタノール等プラスチックを犯さないアルコール系溶剤でほこりや離型剤を完全に拭き取る。 |
取扱い注意事項(詳細はMSDSを参照ください。)
・多量に接着剤を混合すると激しい発熱が生じますので行わないでください。
・火気厳禁及び換気に注意してください。万一、火災が発生した場合には水、粉末、炭酸ガス消火器を使用して消火してください。
・保護眼鏡、保護手袋、必要に応じて有機ガス用マスクを着用してください。
・臭気で気分が悪くなった場合、通風のよいところで安静にし、必要により医師の手当を受けてください。
・皮膚や衣類に付着したりするとかぶれるおそれがありますので早めに温水で洗ってください。万一、かぶれた場合には医師の手当を受けてください。
・目に入れたり、飲んだりは絶対にしないでください。誤って目に入った場合、15分以上流水で洗浄し、医師の手当を受けてください。また、誤飲した場合、水でよく口の中を洗浄し、直ちに医師の手当を受けてください。
・こぼした場合には布きれで拭き取るか、砂等に吸い取らせて、公的に認可された産業廃棄物業者に委託し、焼却してください。
・空容器及び余った場合は公的に認可された産業廃棄物業者に委託し、焼却してください。
ここに記載している商品はほんの一部です。
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