アスファルト系防錆塗料
15㎏ | 3.5㎏ |
黒ワニスは、ビチューメンを主成分として、これを溶剤に溶解したものであり、化学的には非パラフィン系炭化水素を重合或は縮合反応を起こさせた、いわゆるアスファルトが主体の塗料です。 用途としては、鎖、グレージング、マンホールなどの鉄製品の防錆に使用されています。 |
性 状
粘 度 | 7~10 ポイズ(ストマー粘度計) 120±20秒 (岩田カップ NK2) |
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比 重 | 0.95±0.02 (25℃) |
不揮発分 | 59±2 % (JIS-K5411) |
作 業 性 | 刷毛塗り作業に支障が無いこと |
石油ベンジン希釈性 | 希釈性が充分であること |
乾燥時間 | 3時間以内 |
引 火 点 | 32 ℃ |
発 火 点 | 400 ℃ |
荷 姿 | 15 kg |
塗 装
・塗装は、刷毛、スプレー、浸漬塗装と種々の方法が採用できますが、各々の塗装方法に応じた粘度にシンナーで希釈してご使用ください。
・なお、防錆力を更に要求される場合には、塗り重ねをして膜厚を厚くしてください。
法 規 制
消防法による分類 | 第4類 第2石油類 |
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労働安全衛生法による表示 | 第2種有機溶剤含有物 |
PRTR法 表示 | キシレン |
特化物に関する規制 | エチルベンゼン(キシレン中に含有) |
注 意 事 項
・希釈は塗料シンナーで適性粘度に調整を行ってご使用下さい。
・多くの溶剤に溶解しますので、上塗りする場合には、ブリードにご注意下さい。
成 分 表
アスファルト 瀝青質系樹脂 芳香族炭化水素系溶剤 脂肪族炭化水素系溶剤 添加剤 | 11.8 % 45.2 % 13.8 % 28.2 % 1.0 % |
合計 | 100.0 % |
消防法による分類 | 労働安全衛生法による分類 |
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第4類 第2石油類 (引火点:32℃) | 第2種有機溶剤含有 キシレン 6.9% エチルベンゼン 6.9% 第3種有機溶剤含有 ミネラルスピリット 20-30% アスファルト 10-20% |
※成分表示物質としてアスファルトが追記された
製 品 規 格 表
試 験 項 目 | 結 果 | 備 考 |
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粘 度 | 120±20秒 | フォードカップ #4 20℃ |
比 重 | 0.95±0.02 | 比重カップ 20℃ |
不 揮 発 分 | 59±2% | 110℃×3時間 |
硬 度 | 5B | 鉛筆ひっかき試験器 |
乾 燥 指触 硬化 | 25 分 6 時間 | 常温 20℃ |
碁 盤 目 | 100/100 | 1mm方眼 10×10 |
衝 撃 性 | 合 格 | デュポン式 1/2" 300g×30cm |
屈 曲 性 | 合 格 | 10mm棒 180゜/秒 |
耐 水 性 | 異常無し | 水道水 120時間浸漬 |
耐 酸 性 | 異常無し | 5%硫酸水溶液 120時間浸漬 |
耐アルカリ性 | 異常無し | 5%苛性曹達溶液 120時間浸漬 |
暴 露 | 光沢消失,クラック | 1ヶ月 |
試験は塗装後7日間自然乾燥した後に行った。
塗 装 仕 様
黒ワニスは、瀝青質系塗料に属し、原料は、石油アスファルト系に属します。
用途は、金属の錆止めや、木工では、着色剤として、又、電気分野では、絶縁等に使用されます。 又、プラントなどでは、アスファルトを布に含浸したものをテープ状にしてプラントに巻き付け、防錆する場合もあります。
金属の錆止めとして使用する場合には、塗装方法として、刷毛塗り、スプレー(エアレス、エアースプレー)、浸漬塗装等の方法で塗装されます。
塗布は、シンナー(塗料シンナー:ミネラルスピリット系、あるいは、芳香族系)により希釈して使用されます。
刷毛塗りの場合には、塗料に対し、20~30%程度、スプレー塗装の場合には、30~40%程度希釈して塗装されます。 一方、浸漬塗装の場合には、粘度がフォードカップで、30~40秒程度で塗装される場合が多いです。浸漬塗装の場合には、塗料中の溶剤成分が蒸発するので、適宜、シンナーで適正粘度に調整することが必要となります。
塗布量は、元々の塗料中の樹脂分濃度が58%と高いので、30%希釈しても樹脂分としては45%近くあり、1回の塗布でWetで100μm塗布すると、約45μmの塗膜厚となります。防錆の為には、最低膜厚としては、50μm程度以上、塗布して下さい。
塗膜による防錆の場合には、防錆力は塗膜の厚さの2乗に比例します。従って、膜厚が倍になれば、防錆力は2×2=4倍になりますが、逆に膜厚が半分になれば、防錆力は、0.5×0.5=0.25 つまり、1/4になってしまいます。 膜厚が薄い部分から錆が発生しますから、塗膜欠陥が無いように塗布して下さい。この為には、1回で厚塗りするより、複数回薄塗りする方が防錆力が上がります。
なお、アスファルト自体は、耐光性が悪く、日光の紫外線により表面が硬化し、堅く、脆くなり、クラックが入り、白ぼけてきます。又、温度が上がると、軟化して、塗膜が動くことがあります。これにより、自己修復性があるので、小さな傷は塞いでしまうことが可能です。この性質を利用したものが「耐チッピング塗料」で、現在でもシャーシブラックとして使われています。
ここに記載している商品はほんの一部です。
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